複線図とは、技能試験で公表されている単線で描かれた電気図面を、実際のケーブルの本数や色分けが分かるように書いた図のことを言います。
第2種電気工事士の技能試験においては、重大欠陥ひとつで即不合格になるため、慎重に複線図を書いてから作業を進めることを推奨しているサイトが多いです。個人的には複線図はあくまで補助的なもので、最終的には頭の中で複線図をイメージしながら作業ができるようになった方が、作業速度も早くミスも少ないと思います。
ただ、複線図が書けるレベルでないと、技能試験において不合格になる可能性は高いのも事実です。決して、複線図を書かないからペナルティがあるわけではありませんが、試験までには当たり前に書けるようになっておきましょう。
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平成28年度技能試験課題 NO.1を使って複線図の書き方の手順を説明します。
オーソドックスな課題で、ポイントはイロハのスイッチの配線をどのように複線図で分かりやすく書けるかです。
複線図を書く時は、器具とスイッチの位置だけ先に紙に書きます。試験では、出題用紙の余白タテ120mm×ヨコ200mmのスペースに書くことのなるので練習の時からあまり大きく書かないようにしておきましょう。
次に接地側の白線を書いていきます。第2種電気工事士では、VVFケーブルは黒、白、赤、緑の4色しかでない(過去に黄色のIVケーブルは出題されましたが。)ので、4色ボールペンや色鉛筆で線を書くと色分けがはっきりして分かりやすいです。白なら灰色の色鉛筆がお勧めです。
電源部分から線を引っ張っていきます。接地側の白線はスイッチ以外の器具とコンセントに必ずつながります。
VVFケーブルの2芯は黒と白色なので、各器具から黒の線を伸ばしておきましょう。
次に非接地側の黒線を電源部分からスイッチに引っ張ります。非接地側の黒線はスイッチやコンセントにつながるので、もしコンセントがある図面ならこの時にコンセントまで黒線を引っ張っておきましょう。 スイッチ同士は渡り線でつなぎます。後で分かるように、”渡り線”と注釈を入れても構いません。
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次にスイッチと器具をつないでいきます。イのスイッチはイの角型シーリングにつなぎます。白色で引いたのはVVFケーブルは2芯であれば白黒なので、電源ケーブルから引っ張ってきたケーブルの黒と対になっている白線を使いつなぎます。
ロのスイッチはロのランプレセプタクルにつなぎます。公表問題の図面にはケーブル本数までは記載されていませんが、実際の試験問題ではこの部分はVVF1.6-2C×2本と記載されていますので、残り1本のVVFケーブルの黒を使い、器具とつなぎます。
次にハのスイッチとハの蛍光灯を白線で引っ張っていきます。ジョイントボックス同士をつなぐ渡り部分のVVFケ−ブルは必ず3芯と試験では記載されるので、VVFの3芯目は赤色のため赤でつなぎます。
複線図を書けるようになるとよく分かるのですが、図面にVVFケーブルの指定がなくても必然的に使うべきケーブルの種類や本数は決まってきます。
最後にケーブルのつなぎ目にリングスリーブ接続なら●印、差込形コネクタなら■印でマークし、圧着の刻印や本数をメモすれば複線図は完成です。ジョイントボックス部分を○で囲むのは一番最初に書いておいても複線図が書きやすいかもしれません。
実際の試験では、切断するケーブル長もメモしておくと、後は複線図を設計図として作っていくだけなので何も考えずに作業に集中できます。
複線図をいくらきれいに書いても試験の合否には無関係です。自分が分かりやすいように書いた複線図が一番役にたちます。書き方のルールに縛られることなく自分なりの分かりやすい手順で書いてみて下さい。
複線図は慣れてきたら1〜2分で書けます。5分以上複線図に時間がかかる方は、きれいに書こうとしすぎているか、電気回路のルールをハッキリと理解していないのかもしれません。
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