第2種電気工事士の学科試験でつまずきやすいのが、計算やオームの法則等を使う理論問題です。
理論問題は、最初の10問に出題されます。学科試験の合格ラインは、60点以上と言われており、30問正解すれば合格ラインとなるため、仮に理論問題が全部間違えても合格は可能です。
真面目に勉強すれば、そんなには難しくないのですが、電気に馴染みの薄い方は勉強しにくいと思います。
[第2種電気工事士合格.com]では、そんな計算、理論問題を簡単に、ほとんど計算しなくても解けるノウハウを紹介します。
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消費電力が500[W]の電熱器を、1時間30分使用した時の発熱量[kJ]は。
イ.450、ロ.750、ハ.1800、ニ.2700
1000W=3600kJを覚えていれば解ける問題です。問題が500Wなので、1800kJ以下はありえないので、イとロは間違いです。
後は、二択なのですが、500Wを1時間30分使う時点で、1800KJ以上は確定なので、答えは決まってきます。
消費電力×時間(1.5)×3600が計算式ですが、計算するまでもない問題です。
答え ニ.2700
図のような直流回路に流れる電流I[A]は。
イ.1、ロ.2、ハ.4、ニ.8
合成抵抗を求める式として、積/和と法則があります。並列(上下に並べられた抵抗のこと、直列なら1本の線上に横に並ぶ)の抵抗は、上下の抵抗をそれぞれ分子は積(掛け算)、分母は和(足し算)することで合成抵抗がだせる。
回路の右側から合成抵抗を求めていくことで答えがでます。4×4/4+4=2。真ん中の回路の2Ωは直列なので、計算して求めた2Ωと足し算をして4Ωとなり、また4×4/4+4=2。
電流を求めるのでオームの法則を使い、I=V÷Rで答えがでます。
答え ハ.4
直径2.6[mm]、長さ20[mm]の銅導線と抵抗値が最も近い同材質の銅導線は。
電線の抵抗値は、太くなるほど抵抗値が小さくなり、長くなるほど抵抗値が増えます。
断面積は、半径×半径×3.14で求められるので、2.6mmの直径の断面積を求めれば答えが導き出せます。
答え 二.断面積5.5[mm2]、長さ20[mm]
図のような三相負荷に三相交流電圧を加えたとき、各線に20[A]の電流が流れた。線間電圧E[V]は。
イ.120、ロ.173、ハ.208、ニ.240
三相回路の場合、電力[W]を求める場合は、3を掛け。電流[A]や電圧[V]を求める場合は、√3を掛けると覚えましょう。
この問題は、電圧[V]を求めるので、なんらかの形で√3を掛けることで答えが導きだせます。
電圧を求めるので、I×R。そこに三相回路であるので、√3をかければ答えがでます。
三相回路の問題は、毎年1問は出題されますが、第2種電気工事士の学科の中では難しい計算問題であるため、数字としてよく答えに使われる173とか208の数値から2択する運任せでも構わないでしょう。余裕があれば、式を覚える感じでも合格には問題ありません。
答え ハ.208
単相200[V]の回路に、消費電力2.0[kW]、力率80[%]の負荷を接続した場合、回路に流れる電流[A]は。
イ.7.2、ロ.8.0、ハ.10.0、ニ.12.5
過去にも全く同じ問題が出題されたことがあります。
電力=電圧×電流×力率(P=VIcosθ)。問題で分かっているのは、電流以外なので、式を組みかえれば答えが導き出せます。
答え ニ.12.5
図のような単相3線式回路で、電線1線当たりの抵抗が、r[Ω]、負荷電流がI[A]のとき、中性線に流れる電流が0[A]のとき、電圧降下(Vs−Vr)[V]を示す式は。
イ.rI、ロ.√3rI、ハ.2rI、ニ.3rI
中性線が0ということは、単純な直列回路と考えることができます。直列回路と考えた場合、単純なオームの法則が適用できるので、答えが簡単に分かります。
三相回路ではないので、√3や3をかけることはないので、イとハの二択で考えてもいいと思います。
答え イ.rI
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図のような単相3線式回路で、消費電力100[W]、500[W]の2つの負荷はともに抵抗負荷である。図中の×印点で断線した場合、a-b間の電圧[V]は。
ただし、断線によって負荷の抵抗値は変化しないものとする。
イ.33、ロ.100、ハ.167、ニ.200
中性線が電線した時点で、普通の直流回路になるので、オームの法則で答えは求められます。
電圧を出すには、電流を求めないといけないので、I=V÷Rであるから、I=200÷100+20。
a-b間の電圧をしりたいのだから、先程のIとa-b間の抵抗100をかければ答えが導き出せます。
答え ハ.167
金属管による低圧屋内配線工事で、管内に直径2.0[mm]の600Vビニル絶縁電線(軟銅線)4本を収めて施設した場合、電線1本当たりの許容電流[A]は。
ただし、周囲温度は30[℃]以下、電流減少係数は0.63とする。
イ.17、ロ.22、ハ.30、ニ.35
よくでる問題で、線の太さに対して、許容電流が決まっており、許容電流に電流減少係数をかけることで答えが導き出せます。
線に対する許容電流を記憶しておけば解ける問題です。1.6mmの時、27[A]、2.0mmの時、35[A]、5.5[mm2]の時、49[A]と覚えましょう。語呂合わせで覚えると覚えやすいです。
イチロー27安打、兄さんごめん、ゴジラ松井は49本。
イチローは1.6mmのこと、安打製造機のイチローが27安打[A]した。兄さんごめんは、2.0mm35のこと。ゴジラ松井の背番号は55(5.5mm2)で49本塁打(49[A])した。自分の好きなスポーツ等で語呂合わせすれば、忘れずに覚えられます。
この問題の式は、35×0.63。
答え ロ.22
低圧屋内配線の分岐回路の設計で、配線用遮断器、分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合わせとして、適切なものは。
ただし、分岐点から配線用遮断器までは、3[m]、配線用遮断機からコンセントまでは8[m]とし、電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。
また、コンセントは兼用コンセントではないものとする。
電線が太いほど、定格電流が高いというのが前提で、配線用遮断器のアンペア数は、定格電流以下にはならない。
ハは、配線用遮断器のアンペアが、定格電流より低いので間違い。また、配線用遮断器のアンペアよりも極端に低い、二も間違いと判断できる。
2.0mmの電線は20Aまで、2.6mmの電線は21〜30Aと電線の太さにより流せる電流値が異なり、ロは電線が細すぎるため間違いとなる。
答え イ
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